近年、キャッシュレス決済の主流として完全に定着したQRコード決済。 本記事では、そもそもなぜQRコード決済を使うべきなのかというメリットから、シェアの9割以上を占める主要4社(PayPay、楽天ペイ、d払い、au PAY)の特徴と選び方を整理しました。
そもそもなぜ「QRコード決済」なのか?クレジットカードとの違いとメリット
様々な支払い方法がある中で、あえてスマートフォンを使ったQRコード決済を利用する現実的なメリットは、主に以下の3点に集約されます。
財布を持たない身軽さと、支払いスピード
最大のメリットは、スマートフォン1つで支払いが完結する物理的な身軽さです。クレジットカードのように財布からカードを取り出す手間や、暗証番号の入力・サインの手間がかからず、アプリを開いて画面を見せる(または読み取る)だけでスピーディーに決済が完了します。
ポイントの二重取りによる高い還元率
多くのQRコード決済は、アプリ自体にクレジットカードを紐付けてチャージ・支払いを行います。これにより、「QR決済アプリ側の利用ポイント」と「紐付けたクレジットカードのチャージポイント」を二重取りできるケースが多く、単にクレジットカード単体で支払うよりも高い還元率を維持しやすい仕組みになっています。
個人店や小規模店舗への導入率の高さ
「クレジットカードは手数料が高くて導入できないが、QRコード決済なら使える」という個人経営の飲食店や小規模な店舗が急増しています。現金の持ち歩きを最小限に減らしつつ、幅広い店舗に対応できるのがQRコード決済の強みです。
QRコード決済 主要4社のシェアと利用状況
キャッシュレス市場におけるQR決済の現在地
日本のキャッシュレス決済比率は40%を超えており、その中でQRコード決済はクレジットカードに次ぐ身近な決済手段として定着しています。
各種調査データによると、スマートフォンを保有する人の約7割が日常的にQRコード決済を利用しているという結果が出ており、特に若年層から50代・60代まで幅広く浸透しています。
※「ユーザー数」に関する注意点
各社が公表する「登録アカウント数」等には、使われていない自動作成アカウントや複数IDなども合算されており、実際の利用人数とは大きく異なります。そのため、本記事では公表値ではなく「実際に使われているシェア率」を基準に解説します。
主要4社でシェアの約9割。圧倒的な利用状況
現在、QRコード決済市場は乱立期を終え、上位4つのサービスで全体の利用シェアの9割以上を占める寡占状態となっています。日常的に使われているメイン決済の割合(実利用ベース)は以下の通りです。
- PayPay: 利用者の約半数(約45〜50%)がメインで利用する圧倒的トップ。
- 楽天ペイ: 利用シェア2位。楽天カードとの連携やポイントの使い勝手で支持を集める。
- d払い: シェア3位。ドコモユーザーを中心に根強い利用者が存在。
- au PAY: シェア4位。Pontaポイント圏のユーザーを中心に一定のシェアを維持。
これからメインのQRコード決済を選ぶのであれば、加盟店が多くサービスの提供が安定しているこの主要4社の中から、自分の生活スタイルに合ったものを選ぶのが最も確実で無駄がありません。
【補足】それなりに利用者がいる「その他のQR決済」
主要4社には及ばないものの、特定の用途や店舗に特化した以下のサービスも一定の利用者が存在します。
- メルペイ: フリマアプリ「メルカリ」の売上金をそのまま日常の買い物で使えるのが強み(※メルカリ自体の月間利用者約2,300万人のうち、一部のユーザーが活用)。
- ファミペイ: ファミリーマートでの利用に特化しており、一部の公共料金や税金の支払いにも対応できるのが特徴。
- AEON Pay(イオンペイ): イオングループの店舗を利用する層に特化し、特定の店舗網で利用者を伸ばしているサービス。
主要4社の強み・弱みと「向いている人」の境界線
各社それぞれに独自の強みがありますが、万人に完璧な決済アプリは存在しません。自分にとって「いる・いらない」を判断するため、客観的な強みと弱みを整理しました。
PayPay:どこでも使える安心感を求める人向け
- 強み: 圧倒的な加盟店数を誇り、クレジットカードが使えないような個人経営の店舗でもPayPayなら利用できることが多い点が最大のメリットです。
- 弱み: 基本還元率が低めに設定されており、ソフトバンク系のユーザー以外はポイント高還元の恩恵を受けにくいという側面があります。
楽天ペイ:ポイント還元率と総合満足度を重視する人向け
- 強み: 楽天カードとの紐付け等により高い還元率を維持しやすく、各種調査でも総合満足度トップを獲得している実用性の高さが特徴です。期間限定の楽天ポイントも日常の支払いで無駄なく消化できます。
- 弱み: 当然ながら、楽天経済圏(楽天カードや楽天市場などのサービス)を日常的に利用していない人にとってはメリットが薄くなります。
d払い:ドコモユーザーで支払いを一元化したい人向け
- 強み: 毎月の携帯料金との合算払いが可能であり、日常の支払いで貯まったdポイントの使い道が広いのが特徴です。
- 弱み: ドコモユーザー以外に対する強力なインセンティブ(特典)が少ないため、他キャリアのユーザーがあえてメインに選ぶ理由は弱くなります。
au PAY:Pontaポイントを活用したい人向け
- 強み: auじぶん銀行などとの連携が強く、日常の支払いでPontaポイントが貯まりやすい設計になっています。
- 弱み: PayPayの圧倒的な加盟店数や、楽天ペイの常時高還元率などと比較すると、独自の際立ったメリットが見えにくいのが現状です。
複数アプリは不要。メイン決済の決め方と運用ルール
「キャンペーンがお得だから」と複数のQRコード決済を使い分けるのはおすすめしません。
自分の「経済圏(通信キャリア・よく使うポイント)」で1つに絞る
決済アプリを複数持つと、ポイントが少額ずつ分散してしまい、有効期限の管理やチャージの手間が増えるだけです。そのため、自身が利用しているスマートフォン(通信キャリア)や、日常的によく貯めているポイント(楽天やdポイントなど)を基準にして、メインの決済アプリを「1つ」に絞るのが客観的に見て最も無駄がありません。
「メイン決済+サブでPayPay」が最も現実的な運用
基本的には自分が選んだメイン決済1つで生活しつつ、メイン決済が使えない個人店や地方の店舗をカバーするために、サブとして「PayPay」のみを残しておくのが最も現実的な運用ルールです。
この「自分に合ったメイン1社+サブでPayPay」という組み合わせにすることで、管理の煩雑さを防ぎつつ、キャッシュレス決済ができないリスクを最小限に抑えることができます。
日常の道しるべノート 