2026年9月1日、一度は熱帯低気圧に変わった台風18号(ソウデル)が再び台風になりました。
こうした台風は、一般に「復活台風」と呼ばれます。ただ、「復活」と聞くと、
- 一度消滅した台風がもう一度発生したの?
- なぜ新しい台風番号にならないの?
- 熱帯低気圧になったのに、また強くなることがあるの?
- 復活台風は珍しいの?
と疑問に思う人もいるでしょう。実際には、台風そのものが完全になくなってから突然復活するわけではありません。
この記事では、2026年の台風18号を例に、復活台風とはどのようなものなのか、なぜ再び発達するのか、台風番号はどうなるのかを解説します。
- 復活台風とは、いったん熱帯低気圧になったあと再び台風の基準を満たしたもの
- 台風と熱帯低気圧を分ける目安は最大風速約17m/s
- 再び台風になっても、新しい番号ではなく元の台風番号を引き継ぐ
- 2026年の台風18号も「台風→熱帯低気圧→台風」と再発達した
- 熱帯低気圧になったからといって、必ずしも大雨や強風の心配がなくなるわけではない
復活台風とは?
「復活台風」とは、一度は勢力を弱めて熱帯低気圧になったものの、その後再び発達して台風の基準を満たした台風のことです。
まず知っておきたいのが、「台風」と「熱帯低気圧」の違いです。気象庁では、北西太平洋や南シナ海にある熱帯低気圧のうち、低気圧域内の最大風速がおよそ17m/s以上になったものを「台風」としています。
| 状態 | 最大風速の目安 |
|---|---|
| 熱帯低気圧 | 約17m/s未満 |
| 台風 | 約17m/s以上 |
つまり、台風の最大風速が基準を下回ると「熱帯低気圧」に変わります。その熱帯低気圧が残っていて、その後もう一度発達し、最大風速がおよそ17m/s以上になれば再び「台風」となるわけです。
「台風が消滅して、新しい台風が生まれた」というより、同じ熱帯低気圧が弱くなったり強くなったりした結果、台風の基準を再び超えたと考えると分かりやすいでしょう。
参考:気象庁「台風とは」
2026年の台風18号はどのように復活した?
2026年の台風18号(ソウデル)は、復活台風の仕組みを理解しやすい例です。大まかな経過を整理すると、次のようになります。
| 日付 | 台風18号の動き |
|---|---|
| 8月19日 | トラック諸島近海で台風18号が発生 |
| 8月25日ごろ | 沖縄や奄美に暴風雨をもたらす |
| その後 | 中国大陸に上陸し、次第に勢力を落とす |
| 8月29日 | 最大風速が17.2m/s未満となり熱帯低気圧に |
| その後 | 南下して南シナ海へ |
| 9月1日3時 | 再発達し、最大風速18m/sの台風18号に |
台風18号は中国大陸に上陸したことで勢力を弱め、8月29日に熱帯低気圧となりました。
ところが、その後も低気圧そのものは残っていました。南下して再び南シナ海へ出たことで水蒸気の供給を受け、再び発達。9月1日3時に最大風速18m/sと解析され、再び台風18号となりました。
まさに、台風 → 熱帯低気圧 → 台風という「復活台風」の流れをたどったことになります。
※上記は2026年9月1日時点の速報値をもとにしています。台風の位置や強さなどは、その後の事後解析によって修正される場合があります。
なぜ一度弱まった台風が再び発達するの?
では、なぜ一度弱まった台風が再び強くなるのでしょうか。
ポイントになるのが、海から供給される水蒸気です。台風は、暖かい海面から供給された水蒸気が雲になる際に放出される熱をエネルギーとして発達します。
一方、台風が陸地に上陸すると海からの水蒸気の供給が減り、陸地との摩擦によってもエネルギーを失うため、勢力が弱まりやすくなります。今回の台風18号も、
中国大陸へ上陸
↓
水蒸気の供給が減って弱まる
↓
熱帯低気圧になる
↓
南シナ海へ出る
↓
再び海から水蒸気が供給される
↓
再発達して台風になる
という流れをたどりました。もちろん、熱帯低気圧が海に出れば必ず台風に戻るわけではありません。海水温や周辺の風、大気の状態など、再発達しやすい条件がそろった場合に、再び台風となることがあります。
参考:気象庁「台風の一生」
復活してもなぜ「台風18号」のままなの?
復活台風で特に疑問に感じやすいのが、台風番号です。
2026年の台風18号がいったん熱帯低気圧になったあと再び台風になったのであれば、「新しく発生した台風として別の番号になるのでは?」と思うかもしれません。
しかし、気象庁では、一度発生した台風が熱帯低気圧になったあと、再び発達して台風になった場合は同じ番号を付けるというルールになっています。
そのため、今回も新しい番号ではなく、再び「台風18号」となりました。名前の「ソウデル」もそのままです。
これは、全く別の場所で新しい熱帯低気圧が発生したわけではなく、もともとの台風18号から変わった熱帯低気圧が再発達したものだからです。「台風ではなくなった期間があった=別の低気圧になる」というわけではない点がポイントです。
復活台風は珍しい?過去にも発生している
復活台風は、今回の台風18号だけに起きた特殊な現象ではありません。
ウェザーニュースによると、1951年以降の統計では、今回の台風18号が45個目の復活台風にあたるとされています。過去には、
- 2025年 台風8号
- 2015年 台風12号
- 2014年 台風7号
なども、速報値の段階で復活台風となった例として挙げられています。また、事後解析によって後から復活台風だったと判断されたケースもあります。
そのため、極めて珍しい現象というわけではありませんが、毎年必ず起こるほど一般的な現象でもありません。
特に今回の台風18号のように、実際の台風情報の中で「熱帯低気圧から再び台風になった」と分かるケースは、それほど多くありません。
なぜ後から復活台風と分かることがある?
台風の中心が海上にある場合、すべての場所で直接風速を測定できるわけではありません。また、気象庁では、気象衛星の画像や船舶、島などの観測データから台風の強さを解析しています。
そのため、台風が過ぎたあとにデータを詳しく分析した結果、「この時間帯は台風の基準を下回っていた」「その後再び台風の基準を超えていた」と判断され、事後的に復活台風として記録される場合があります。
今回の台風18号についても速報値であるため、今後の事後解析によって細かな時刻や強さが変更される可能性があります。
「熱帯低気圧になった=安心」ではない
台風情報で、「台風は熱帯低気圧に変わりました」と聞くと、「もう大丈夫」と感じてしまうかもしれません。
しかし、ここは注意が必要です。熱帯低気圧になったというのは、基本的には最大風速が台風の基準である約17m/sを下回ったということです。雨雲までなくなったという意味ではありません。
気象庁も、台風が熱帯低気圧に変わった場合について、最大風速が17m/s未満になっただけであり、強い雨が降ることがあるため、消滅するまで油断できないとしています。また、今回の台風18号のように、条件がそろえば再び発達することもあります。
そのため、「台風ではなくなったかどうか」だけを見るのではなく、
- 大雨の予報
- 警報・注意報
- キキクル(危険度分布)
- 今後の熱帯低気圧の進路や発達予想
など、最新の気象情報を確認することが大切です。
まとめ
復活台風とは、一度熱帯低気圧になったあと、再び発達して台風の基準を満たした台風のことです。
2026年の台風18号も、中国大陸への上陸後に熱帯低気圧へ弱まりましたが、南シナ海へ出たあと再発達し、9月1日に再び台風18号となりました。ポイントを整理すると、
- 台風と熱帯低気圧の境目は最大風速約17m/s
- 熱帯低気圧になっても低気圧そのものが残っている場合がある
- 暖かい海など再発達しやすい環境に入ると再び台風になることがある
- 復活しても元の台風番号と名前を引き継ぐ
- 熱帯低気圧になっても大雨などへの警戒が必要
ということになります。「熱帯低気圧になった」という情報だけで安心せず、その後の発達予想や大雨・強風に関する情報まで確認するようにしましょう。
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